住職と行政書士の二つの立場で宗教法人の支援とみなさまの終活を支援しています

寺院のリスク管理

 寺院の存続のために

 仏像の盗難、境内での事故、行事中の事故、檀信徒の個人情報漏えい、墓地のトラブルなど、寺院や住職が何らかの責任を問われる可能性にどう対処すべきでしょうか?また、住職の入院や死亡などの際、寺院関係者や寺族が困らないための準備も必要です。

 損害賠償のリスク

 宗教法人法第11条では、宗教法人の責任について規定されています。 宗教法人は、代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。(目的範囲内の行為は法人の責任)
 宗教法人の目的の範囲外の行為により第三者に損害を加えたときは、その行為をした代表者、その事項の決議に賛成した役員が連帯して損害を賠償する責任を負います。(目的範囲外の行為は個人の責任)

 他業種には、例えば、「医師賠償責任保険」「医療施設賠償責任保険」「弁護士損害賠償保険」などリスクを回避する保険があります。宗教法人向けとしては、「浄土宗施設賠償責任保障制度」など一部には取り組みもみられますが、まだまだ十分な保険は用意されていないのが現状です。したがって、「施設所有管理者賠償責任保険」「受託者賠償責任保険」等を組み合わせて各寺院で検討することになります。


(参考)
施設所有管理者賠償責任保険
 施設の安全性の維持・管理の不備・構造上の欠陥、施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりしたために、被保険者が法律上の賠償責任を負担された場合に被る損害を補償する保険

受託者賠償責任保険
 人から預かった物をあやまってキズつけたり、壊したり、汚したり、紛失したり、あるいは盗まれたりして、預けた人に元の状態では返還できなくなり、預けた人との間に損害賠償が発生した時の補償

 物的リスク

 境内建物には、地震や火災などに備えた保険を契約されている寺院は多いと思います。また、仏像や宝物の盗難・紛失には、動産総合保険で対応できるかと思います。

 人的リスク

 住職の病気・入院・死亡、住職が(死亡)退職した際の寺族の生活、津送や住職交代の際の資金、従業員の退職慰労金などへの備えは十分でしょうか。住職死亡の際に、寺族と檀信徒との間で紛争になる例は少なくないようです。日頃の信頼関係を構築することが最も大切ですが、何かと費用がかかる一大事ですから、十分な資金が確保されていることは大切です。
 寺族を護るためには、医療特約などが充実した生命保険を活用し住職や寺族の人的リスクに備えることも必要です。あわせて、保険金支給の際に寺檀のトラブルにならないよう、見舞金規程や退職金規程の作成をお奨めします。

退職金を支給する手順
 退職金支給は、宗教法人の一般的な事務ですので、寺院規則に則った手順が必要です。
①退職金規程の作成(支給額、支給基準、支給範囲など)
②責任役員会の決議(議事録に署名押印・保管)
※代表役員のみの退職規定の場合は、議決権がなくなりますので、仮責任役員の選出が必要になります。
③財源の確保(民間の生命保険、宗門の共済、護持会費から現金で積み立てる等)


(参考)
少額ミニ保険
 少額ミニ保険とは、正式名称を「少額短期保険」と言います。少額保障を短期間だけ、しかも安い保険料で利用することが出来る上、様々なニーズに合った保険が揃っているため、現在注目を集めている保険タイプです。
 このような保険を追加して、住職の葬送(津送)にかかる費用や、納税の資金に宛てるのもひとつの方法です。

民間介護保険
 介護費用に備えるものとして、民間介護保険が徐々に注目を集めています。公的介護制度は、要介護状態に応じて、具体他的なサービスにかかった費用が保険から支払われる「現物支給」です。民間介護保険は「現金給付」のサービスで、各社が認める所定の状態になると百万円単位のまとまった一時金がもらえたり、年金のように毎月定額を受け取れたりする商品です。

《保険に関する相談は》
 ファイナンシャルプランナーという保険の専門家がおりますので、当事務所からご紹介できます。
 また、当職はプルデンシャル生命の保険商品を活用しており、ご紹介窓口にもなっております。相談や見積もりなどご希望の際は、当職にご連絡頂ければ、担当者を伺わせることも可能です。お気軽にご相談ください。

powered by Quick Homepage Maker 5.3
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional