住職と行政書士の二つの立場で宗教法人の支援とみなさまの終活を支援しています

宗教法人の管理

 宗教法人の所轄庁

①都道府県知事
住所地(主たる事務所の所在地)の都道府県が窓口になります。
②文部科学大臣
・他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人
・他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人を包括する宗教法人
・他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人

 代表役員・責任役員

・3人以上の責任役員を置き、そのうち1人を代表役員とします。
・宗教法人の事務は、責任役員の定数の過半数で決定します。
・代表役員又は責任役員が死亡その他の事由で欠け、すみやかにその後任者を選ぶことができないとき、また、病気その他の事由で3ヶ月以上職務を行うことができないときは代務者を選びます。
・宗教法人と代表役員の利益が相反する場合は、議決権がありませんので、仮代表役員を選びます。
・責任役員が、特別の利害関係を持つ事項については、仮責任役員を選びます。


《参考》

責任役員の解任(京都地裁判決 昭37.4.27)
「宗教法人とその役員は法律上『委任』の関係である。委任はお互いの信頼関係で成り立っているので、これが壊れたところでは、辞めさせる理由がある」
「寺院規則にある『任期○年』というのは、ただ役員の任期を定めたものであり、宗教法人が役員の解任告知をする権利を放棄するものではない」
 ⇒寺院規則に解任規定がなくても、委任に関する民法の規定により役員の解任が可能

住職の選任手続(静岡地裁判決 昭43.7.3)
「住職選任に関する規則や慣習もない場合、選任は『寺院の本質およびその寺に固有な特殊性を考慮の上、条理に従い処理すべき』である」
「第一に後任住職の地位は檀信徒の総意によるべき」
「選任にあたって、寺と密接な関係にある各末寺(法縁会)の意思を反映していることが望ましい」
 ⇒檀信徒は議決機関ではないが、檀信徒総会の決議の重さを認めた事例

法類の法律的地位(京都地裁判決 昭55.8.21)
「法類はいわば寺の親類関係としての宗教上の関係であり、法類の権限等の法律関係は寺院規則に委ねられている」
「法類は法人である寺院の機関とはいえないが、住職を推薦したり代務者を選任するなどの間接的な権限をもって少なくとも各寺院の管理運営に関与し得る地位にある」
 ⇒法類には法律的地位を認める余地がある


 公告

 宗教法人の規則には、公告方法が定められています。以下のような場合には、檀信徒など利害関係者に対し、一定期間以上の公告をしなければなりません。例えば、霊園開発や納骨堂建設などがこれらに該当すれば、公告が必要になります。
・不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供する
・借入(当該会計年度内で償還する一時借入を除く)又は保証をする
・主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替
・境内地の著しい模様替
・主要な境内建物や境内地の用途の変更、または、宗教法人本来の目的以外の供用
・包括被包括関係の設定または廃止
・合併、解散、精算

 事務所備付資料の管理

 財産目録等の資料を作成して、備付け、毎会計年度終了後4月以内に事務所備え付け書類の一部の写しを所轄庁に提出しなければなりません。また、利害関係者から閲覧を求められた場合は、原則として、応じなければなりません。
●規則・認証書(提出は不要)
●役員名簿(全法人提出)
●財産目録(全法人提出)
●収支計算書(作成義務を免除され、実際に作成していない法人を除く)
●貸借対照表(作成している場合に限り提出)
●境内建物に関する書類
●事業に関する書類
●責任役員会(総代会)議事録・事務処理簿(提出は不要)

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